オランダの科学者たちは、バランス障害のある人が歩行中に安定性を保つのを助けるバックパック「GyroPack」を開発しました。このバックパックには、もともと宇宙衛星の安定化のために開発された2つのジャイロスコープが組み込まれています。
人が動くと、ジャイロスコープが反応して体の不随意な回転運動を抑制し、速度を落とし、使用者がバランスを取り戻す時間を確保します。
この症状は、脳卒中、多発性硬化症、パーキンソン病、外傷性脳損傷など、小脳を損傷する疾患の症状である運動失調を伴うことがよくあります。運動失調のある人はバランスを保つのが困難なため、松葉杖や歩行器を使用することが多いです。
この試験には、運動失調のある14人が参加しました。各被験者は、3つの異なる設定で5種類のバランスと歩行訓練を行いました。アクティブジャイロスコープパック使用時、パックを「プラセボモード」(ジャイロスコープは回転するが互いに補正する)使用時、そしてパックを全く使用しない時です。最初の設定で最も良い結果が得られました。
患者はより安定感を感じ、より自信を持ってまっすぐ歩くことができました。さらに、「プラセボバックパック」でさえ、その自重(約6kg)のおかげでプラスの効果がありました。
エンジニアたちは、構造の軽量化とジャイロスコープのノイズ低減を計画しています。